新宿、渋谷、池袋、横浜、すすきの、中洲、etc、、日本には沢山の繁華街があります。
そして、そういった繁華街に絶対にいる人達、それは『居酒屋の客引き』です。
今回は新宿でバリバリ客引きをしている知り合いに、システムや裏事情をがっつり聞いてきました。
彼らの真実と、客引きを使うことのメリット・デメリットをお伝えします。
目次
この記事における客引きの定義
今回フォーカスするのは、居酒屋で働く歩合制の客引き業です。
カラオケの客引き・和民等大手チェーンで看板を持っている客引き・ラブホの客引き・ホストやキャバクラのキャッチ、これらは全て除外します。
また、人や地域によっては客引きではなく、『キャッチ』『カラス』等といった言葉で表現されることもあるようです。
客引きのシステム
客引きは歩合制で、より多くの客を店に誘導することで客引きの給料が変わります。
知り合いの場合、誘導した客の会計から一定の金額が給料になる仕組みで、
平日:15%
金土祝前:12%
とのことです。例えば平日に単価が5000円の3人組を引くと、5000×3×0.15=2250円の儲けになります。
店によっては、このパーセンテージが変わったり、シンプルに客ひとり引くと500円、みたいなシステムの店もあります。
客引き手法
大体以下のような流れになります。
通行人の足を止める
客引きは、通行人に声をかけることから始まります。
「居酒屋いかがですか」
「これから飲みですか」
「本日はどんな飲み屋お探しですか」
と、質問で入ります。
大体はシカト、もしくは「はぁ」といった曖昧な返事をされます。しかしたまに「え、居酒屋?」「どこ?」など食いついてきたり、客引きが持っているメニューやビラを凝視する方がいるので、その通行人の足が止まるまで色々な言葉を投げかけます。
交渉
通行人の足が止まると、そこからは交渉の段階です。通行人のニーズに合わせて店を紹介したり、特典をつけてメリットを訴求します。
ここで客引きが切れるカードは、『個室』『料理逸品』『最初のビール半額』『お通しカット』『飲み放題1000円』などです。
金額に直すと大体500円くらいですが、さも素晴らしい特典かのように伝えます。
また、このあたりはテクニックが必要になるフェーズなので、インカムや携帯電話で店と交渉をしているふりをしてみたり、食べたい料理を引き出してもちろんありますと伝えたり、通行人をその気にさせるためにありとあらゆることをします。
クロージング
晴れて店を利用することが決まると、最後はその客を逃がさないようにします。
店が近ければ店まで案内しますし、他の店に気がいかないように他店の看板を体で隠したり、世間話を続けたりします。
店が遠ければ、前金を受け取り、領収書を書いて店に行ってもらうよう伝えます。
ふむふむなるほどなるほど、ってめっちゃボロい商売やん!!!
と思いませんか?そうなんんです。ボロすぎてもうボロボロですよ。
客引きの平均時給は、都内だと2000円にものぼります。
稼いでる人は月70万稼ぎます。
年収840万です。
しかし、そんなに高い人件費をかけてまでして、客引きを雇う必要はあるのでしょうか。しかも、客引きはお客さんをつかまえるごとに500円相当の特典を付けます。本当に良いのか、飲食店?
それで店はもうかるのか?
実はこれ、全く問題ないんです。
居酒屋は他の飲食業と比較しても利益率が高いのは有名な話ですが、こういった客引きを抱えている店はさらに利益率が高く設定されています。
つまり、酒・食事・チャージ料・席料等が他の居酒屋よりも高く、大体ビール600円・チャージ10%・食事1.5倍、くらいの料金になっているんです。
客引きが提示する特典なんぞ鼻くそみたいなものです。入店したら最後、高いものがどんどん注文されるのですから。
あなたは大丈夫?ひっかかる客のパターン
客引きが狙っている客はさまざまいます。一番の狙い目は、【お金持ちでお腹がすいている】仕事終わりのサラリーマンですが、正直入店さえしてくれれば何でも良いため、むしろ楽に入店してくれそうな方が狙い目です。
ここで、ひっかかる客の5大パターンを公開します。
一次会の予約を忘れた悲しいあなた
あなたは悲惨な状況にあります。会社で飲み会がある、にも関わらず予約が取れていない…
「7名様?すぐ個室でご用意出来ますよ!」
なんて言われたら、ささやく悪魔でも天使に見えるでしょう。
酔っぱらって二次会を探すのが面倒なあなた
上機嫌で一次会の店を後にしたは良いが、次の場所を決めていなかったため立ち往生、酔っぱらった幹事のあなたは「私は二次会の幹事じゃない」とは思いつつなんとなく周囲からプレッシャー感じているでしょう。
そんな時に「二次会でしたら食事よりは飲みメインだと思いますので、飲み放題1200円におつまみサービスします」
なんて言われたら、ささやく悪魔でも天使に見えるでしょう。
安く飲みたい学生のあなた
とにかく安く飲みたい学生のあなたは、今日は平日ですが、サークル上がりに友達と夜の街を闊歩します。
そんな時に「3時間飲み放題1000円で!」
なんて言われたら、ささやく悪魔でも天使に見えるでしょう。
交渉好きなあなた
関西出身で交渉ごとが大好きなあなた、店を値切って彼女に良い所を見せつけたい。客引きを捕まえてさあ交渉開始。
もうこの時点で終わっているんですが、客引きをいじめていじめて、「もう勘弁してください」
なんて言われたら、泣きべそかいた悪魔が可愛く見えるでしょう。
高齢なあなた
高齢なあなたは特に注意してください。
午後5時ごろ、早めに店に入ってはやめに帰ろうか、というあなたは大きな街の雑踏が嫌い。
そんな時に「うち、もうやってますよ」
なんてかわいい学生客引きに言われたら、ささやく悪魔でも孫に見えるでしょう。
どんな人が客引きをやっているのか
さて、悪魔悪魔と書きましたが、客引きも人の子です。彼らはどのような人たちなんでしょう。
客引きのバックグラウンドは大体2つに分かれます。
1つは学生です。普通のバイトは経験してきたが時給1000円は嫌だ、ということで高給と呼び名の高い客引きを始めます。
大体彼らは卒業まで勤め上げ、就職と共に去っていきます。
2つ目はフリーターです。特に何か夢を持っていて時間があまりない人が多いです。特に多いのは売れない芸人や元ホストなど、話すのが上手な人が多いです。
客引きにつかまることのメリット
客引きにつかまることは、基本的に避けるべきです。
理由は、
・特典がつくものの、料金設定が高すぎる
・リピーターを狙っているわけではないため、サービスレベルが低い
ためです。
しかし、場合によっては客引きを利用するメリットもあります。
メリットとしては、
・店を探す必要がない
・飲み放題は本当に安くなる
・個室の交渉ができる
といった点です。
このあたりは食べログなど経由ではあまり実現できない部分なので、うまく交渉など進めることができれば、良いんじゃないでしょうか。
彼らの賢い使い方おすすめ
こういった点から、賢い彼らの使い方は、二次会利用です。
二次会も飲み屋に入る、ということになれば、飲み放題で個室、さらに何品以上頼まないとだめ、というルールを無くす、ということを交渉してみてください。
この条件を満たす事が出来れば、サービスレベルの低い店でもまあ許せる次元まで来ます。
楽しい飲みライフをお送り下さい。