最近思い立って個人でECサイトを立ち上げたので、仕入れからシステムや販売チャネルの選定、サイト構築までの流れをできるだけ細かく書いていこうと思います。
対象としている方
今回の対象はゼロから新しくECサイトを立ち上げたいという個人の方や、法人でも例えば既に店舗を持っていて販売している商品のチャネルを試しに増やしてみたい(スモールスタート)、といった方を対象にしています。
元々ECサイトを持っていて新しくリニューアルするといった方へはあまりにも入門的な内容になってしまうと思います。
また、メインは独自のドメインにてECサイトを立ち上げるまで、の内容を厚くしていきます。
なので楽天やyahooといったモールに出店する、もしくはメルカリやフリルで販売するといった方針よりも、長く資産として築いていけるような自社・自分のオンラインショップを構築したいといった方には参考になる内容になっていると考えています。
さらに今回はアパレル商品を扱うECサイトを開設したので、同じようにアパレルを扱いたい・アパレル商品と似たような特徴を持つ製品を扱いたいといった方にも興味を持っていただけるのではないでしょうか。
今回の事業の概要
The Quality Clothing (ザ クオリティクロージング)
これが今回作ったオンラインショップです。
事業的にどのようなものなのか、ざっくりした上流っぽい部分をご説明します。
商品
このサイトで販売しているのはメンズのシャツです。現状はまだまだ商品点数が少ないですが、なるべく豊富なブランドやカテゴリーを揃えたり、ウィメンズの商品展開などもしていきたいと考えています。
自分が男なので、メンズのアパレルは扱っていて楽しい商材です。自分が好きな商材を扱うということは、長く続けたりよりのめり込めたりするためにはやはり効果的です。可能なら自分の興味のあるものを販売するというのが良いと思います。
商品仕入れ
商品は海外で買い付けたものを販売しています。アジアの国に行く機会が多く、暇があればその度にショッピングセンター等に足を運びます。
アジアでは日本ではあまり見られないやや奇抜なデザインのものや、良い素材・質のいい仕立ての製品を見つけることが出来ます。今回はタイで見つけたシャツ専門ブランドが高品質かつデザインもとても良く、この商品を現地で仕入れました。詳しくはこの後出てくる章で書こうと思います。
販売チャネル
販売チャネルは全てオンライン、特に独自ドメインを取得した上でのECサイトに注力しています。
オンラインのチャネルとしては楽天・アマゾン・Yahoo!ショッピングといったモールから、メルカリ・フリル・ラクマといったCtoCアプリ、さらにYahoo!オークションといった古参サイトまで様々なプラットフォームが考えられます。もちろんこのあたりも一部試してはいます。ただ自分でサイトを立ててそれを育てていくほうが単純に楽しそうですし、継続可能で将来的に安定的な運用が可能に感じたので、メインは独自のオンラインショップと位置づけ進めています。
続いてもう少し具体的に、独自にECサイトを構築するということのメリット・デメリット、さらにアパレル商品の特徴的な部分をご説明していきます。
独自ドメインECサイトのデメリット
正直言うと独自でドメインを取得してオンラインショップを開設することは、他のチャネルを用いる方法を比べてデメリットの方が大きいと思います。
集客力が全くない
独自ドメインはすなわちそれまで誰も知らないドメインで、頑張ってECサイトを立ち上げたところで全く検索からの流入は期待できないでしょう。それはもう太平洋にぷかぷかと漂う流木のようなもので、誰からも認知もされなければ目に止められることはありません。
この点、上に挙げたようなモールやフリマアプリなどはそのプラットフォーム自体にものすごい数のトラフィックがあります(それぞれ努力は必要ですが)。そのため比較的人の目につきやすく、他のライバル達と価格・物の良さ・コピーライティング・接客の質等で差別化を実現できれば売上を立てることが可能です。
更に独自ドメインとは言え、ブログなどwebサイト自体がコンテンツとしての価値を持つようなものに比べると、余計に分が悪いのがオンラインショップです。その理由としては、オンラインショップ自体にコンテンツ力を持たせることが難しいことが挙げられます。
通常ブログ等の記事は検索キーワードをちりばめた長文(時には1万文字を超える)を書き、同じ記事を少しずつ改善していってPVをじわじわと上げていきます。しかし、商品の販売を目的としたECサイトはトップページ・商品一覧・商品詳細ページといったそれぞれのページにおいて長文を用意することが難しく、さらに商品の入れ替わりにともない商品詳細ページのURLも変更されるため、長期的にページをSEOの観点で育てるということが困難です。
このようにSEO対策が難しいため、広告を出稿して認知度を高めたり、SNSを用いた施策を厚くすることでトラフィックを確保するといった必要が出てきます。
サイトの構築が専門的
当たり前ですが、独自ドメインのオンラインショップの場合、サイトの構築そのものがやや専門的で敷居が高めです。モールやフリマアプリなどのプラットフォームに乗っかる場合は基本的にサービスに登録して商品を登録、フロントのページはある程度用意されているためそこまで技術的に難しい点はありません。
しかし独自ドメインにてECサイトを構築する場合、ドメインの取得・オンラインショップを構築運用するためのシステムの選定・フロントデザインの制作・サイトへのデザインの適用などが必要になってきます。(フロントデザインの制作・デザインの適用は楽天やYahoo!ショッピング等モールにおいても発生します。)
意外と面倒なのがシステムの選定で、自分の要件に合わせて適切なシステムを決め、当分はそのシステムを使ってサイトを運営していく必要があります。ECサイトは販売する商品の特性やどこまで本格的なサイトを構築するかによって、必要な機能や全体的なシステム構成の規模が変わってきます。
そのあたりを出来る限り考えて要件を決め、要件に合ったシステムを選定することが求められます。
独自ドメインECサイトのメリット
このようなデメリットがある中でいきなり独自ドメインでオンラインショップを開設したのは、下記のような部分に惹かれたためです。
長期的・安定的に運用できる
今回は独自ドメインサイトにこだわった理由の一つとしては、長い間継続出来るようなものにしたかったということが挙げられます。
いわゆるせどりビジネス等、Amazon、Ebay、中国モール、メルカリ、フリルを使って商品を安く仕入れ、それを他のチャネルで転売するというのがよくある手法かと思います。この場合利益を上げられるような商品をリサーチし出品する、ということを効率的に進めることが求められます。
また、常に動向をチェックしサービス運営側の方針に合わせて進めていく必要があり、長期的に進めるのが難しい印象があります。
楽天・Yahoo!ショッピングといったモールにて出店するという選択肢もありますが、特に楽天は手数料が高く、売上は上がるがその分出ていくお金も大きいとよく聞きます。
価格競争に巻き込まれにくい
モールやフリマアプリは常に他の出店者・出品者の商品と比較されるため、特に価格競争に陥りやすく薄利多売になりがちです。
独自ドメインの場合、エンドユーザーが他のサイトと物理的に比較しにくく、他に流れにくいという特徴があります。
さらに、これは実現するのは本当に難しいことですが、ECサイトとしてのブランドを構築できるとそれが価値になり、ファンを獲得して商品を購入してもらえるといった良いサイクルにはめることができます。
良くある例だと『北欧、暮らしの道具店』というサイトが有名ですが、このサイトのようにコンテンツマーケティングでサイトに来て楽しんでもらうことを念頭においた業態がうまくいくと、売上は自然とついてくるような素晴らしい状況になります。
このように、(綺麗事ですが)サイトそのものに価値をもたせ、商売自体にやりがいを感じれるようなことをしたかったという思いがありました。
アパレル商材の特徴
続いて、上で触れたECサイト構築のためのシステムの選定にも関わりますが、今回扱ったアパレル商品の特徴をご紹介しようと思います。
ささげ業務
アパレルの特徴として、ささげ業務というものが発生します。ささげとは撮影・採寸・原稿という3つの言葉の頭文字を合わせたもので、商品の写真を撮影し各部位の長さを計測、そしてより消費者に魅力的に伝えるための原稿を書くコピーライティングを指します。
これらの作業は別段アパレルでなくても発生すると思われるかもしれませんが、特に商品撮影・採寸は商品の価値を伝える上で他の商材よりも非常に重要です。商品の画像は消費者に気に入ってもらうため、また色味やディテールが消費者のイメージと齟齬の無いよう撮影は慎重に行われます。採寸に関してもサイズが間違っていると消費者からのクレームや返品・交換対応の原因になりかねないため、とても大事な作業です。
そのため、アパレルの場合だとこのささげ業務を商品が入庫する倉庫で行ったり、倉庫に併設されたスタジオや専用のスタジオを借りて撮影を行ったりします。
後ほど記載しますが、撮影の作業は効率化との闘いです。アパレルを扱う場合、このあたりをいかにコストダウン出来るかもキモになってきます。
SKUの管理
アパレルの商品を扱う際にはサイズ・カラーバリエーションとSKU(Stock Keeping Unit)の考慮が必要になってきます。
サイズとカラーのバリエーションに関しては、同じ商品でも複数のサイズとカラーの展開がありそれをサイト上で表現する必要があります。具体的には商品詳細ページは1つだけどサイズ・カラーの切り替えができたり、その複数のバリエーションをシステム上で簡単に登録出来ることが求められます。
SKUとは在庫を管理する最小単位という意味で、上記のバリエーション毎に在庫を登録出来ることがシステムを選ぶ上での条件になります。
サイトの見た目が大事
アパレルのサイトを構築する上では見た目の表現もとても重要です。アパレルの場合主に画像でイメージ訴求をし、あまりごちゃごちゃさせずにシンプルだが細かいアニメーション等の動きを合わせ、洗練された印象を与えるようなサイトが多いです。
システムとしては、サイトの見た目や動きを自由にカスタマイズ出来るような機能、出来ればHTML,CSS,JS辺りに直接手を加えられるようなものが好ましいです。
販促のための機能は必要ない
アパレルは上記のような部分が大事ですが、それ以外の特に販売施策的な対応はあまり求められません。
例えば化粧品や健康食品なら
・顧客に対するメルマガやステップメール
・定期購入
・サンプル品の付与
・ランディングページの作成
・会員ランク
・ポイント・クーポン・初回割引等
といった、顧客のエンゲージメントを高めていくための様々な施策が必要になります。
アパレルではここまで多様な施策は必要なく、在庫処分のためのセールに伴う割引きやあってもポイント施策くらいなものです。
まして今回はスモールスタートでとりあえず始めたい、といった形だったため豊富な販促系の機能は重要視していませんでした。
システム選定
続いて今回独自ドメインサイトを構築するために利用したECシステムと、その選定の部分をご説明します。
候補一覧
今回選定対象になったシステム・サービスの一覧がこちらです。
BASE(かんたんEC)
STORES.jp(かんたんEC)
カラーミーショップ
MakeShop
shopserve
結果的にカラーミーショップを選択しサイトを構築したのですが、選定の前提となった要件と決定に至るまでの考察を書いていきます。
要件一覧
まず要件です。今回は完全に個人でとりあえず初めてみる、といったレベルでアパレルのショップを開設することを目的としました。具体的には下記の感じです。
項目 | 要件 | 詳細 |
費用 | 月額数千円、出来れば5000円以下 | 今回どのくらいうまくいくか、あまり検討もつかなかったのと完全に個人の金銭感覚的に、このくらいの費用で運用していきたいと考えました。 |
デザイン性 | ページ毎にHTML/CSS/JSが自由に組める | アパレルはサイトのデザインが重要なのと、特に商品詳細ページの拡充に当り自由に編集できることが重要でした。具体的には商品詳細ページの各部品(画像・商品名・購入ボタン・商品説明・サイズ表・他ページへのリンク等)の見た目や配置を柔軟に作成・変更出来ることです。 |
サイズとカラー対応 | サイズ・カラー別を同じ商品として登録出来る | 上記でも説明したように、同じ商品でもサイズ違い・色違いで在庫が分かれます。このあたりを簡単に登録・サイトに表示したり切り替えられる、といったことが必要でした。 |
商品や画像数 | 数百の商品と1商品当り30枚程度の画像登録 | アパレルはシーズンの入れ替わりで新商品がどんどん入ってきます。もし軌道に乗った場合仕入れを拡大し、様々なカテゴリーの商品を扱いたいと思っているため、商品点数は数百を超えても制限に引っかからないことが必要でした。また、画像も1商品当り4枚までといった制限がありますが、同じ色でも10枚やそれ以上登録することもあると考え、画像の制限がなるべく緩いということも重要でした。 |
レスポンシブ | レスポンシブデザインに対応できる | 個人的にはPC・スマートフォンそれぞれに対してページを作成するというは、ページ数が増える分集客力が分散してしまい、SEOの観点から避けたいと考えていました。最終的にECサイト自体にはSEO対策をしないという方針(この後で説明します)にしたためこの要件は無くなりましたが、当初は意識していました。 |
ブログ機能 | 集客のためのブログを作成する機能がある | このブログを書いてきた経験もあり、活字ベースのコンテンツにはかなりの集客職があるという実感があります。そのため、コンテンツを用意してそこにアクセスしてもらい、購入の意思のある方を商品一覧や商品詳細ページへ導く、という戦略を取りたいと考え、そのためのブログ機能を要件として持っていました。 |
採用はカラーミーショップ
上記の要件を元に複数のサービスを検討し、カラーミーショップのレギュラープラン(3,240円/月)に決定しました。
カラーミーショップの優れている点は、この価格でありながら下記項目が担保されていた点です。
・商品登録数:無制限
・登録画像数/商品:50枚
・HTML,CSS編集可能
・商品情報一括CSV取り込み可能
安いわりに対応可能な規模が大きく、各ページの構築もHTMLの中にカラーミーショップで用意されているタグを埋め込むと、対応している情報を取得したり機能を使えるようになるため、非常に柔軟にデザインを組むことが出来ます。
1点、ブログ機能に関してはさすがに対応されておらずでしたが(他に検討したサービスでも満足の行くブログ機能を持っているものは無かった)それでも満足できる水準だと考えられました。
その他検討したサービスもご紹介しておきます。
BASE
BASEは最近とても人気があることから、最後まで選択肢に残り試しに色々触ってみた結果カラーミーショップにしました。
このサービスの売りはとにかく簡単にスモールスタートでECサイトを開設することが可能で、Appsというアドオン(無料/有料あり)を選択し必要な機能のみ追加出来ますです。
実際に使ってみると本当に数分でサイトが出来ますし、決済代行サービスも予め組み込まれており通常は自分で申請作業等をしないといけない部分がなく、手軽さは群を抜いています。
さらに、サービス自体が新しいということもあり管理画面のUIが洗練され使いやすく、とても直感的です。
ただ、
・HTML編集Appに900/月かかる
・BASEのロゴを消すのにお金がかかる
・商品に関して管理出来る情報が少ない
・画像が5枚までしか登録出来ない
ため、求めている要件に達さずに断念しました。
もっとサービスが成熟し、手軽さだけでなく本格さが強化されればまた検討したいと考えています。
MakeShop、shopserve
このあたりは無料体験をするまで至らずに断念したサービスです。
MakeShopは一番小さなプランでも初期費用に10,000円かかり、商品数上限100、オリジナルデザイン不可等、かなり条件が厳しいと感じました。
shopserveは一番小さなプランでも月額4,600円かかり、商品上限数が100と上のプランに上げるタイミングが早く来そうな印象を持ちました。ただ使える基本機能はかなり高機能なので、その部分は魅力的です。
集客用のメディアの作成
システムを決めたは良いですが、独自URLのオンラインショップの課題はやはり集客です。可能ならサービスの中に組み込まれているブログ機能を使って販売している商品に関する記事を書き、まずはそこに到達してもらうことから始めようと思っていました。しかし上記の通りイメージに合うようなサービスは無かったため、別ドメインでメディアサイトを作り、そこからECサイトを密に連動することで集客用、販売用の機能を分けつつやりたいことを実現しようとしました。
メディアサイトはこちらです。
The Quality Clothing (ザ クオリティクロージング)
メディアとECサイトの関わり
具体的にどう連動させているかは下記のような感じです。
黄色で囲った四角がECサイト側のURL、青で囲った四角がメディアサイト側のURLです。どちらのサイトも真ん中に横に横に並んだグローバルメニューを共有していて、その中でトップページとブランド紹介ページはリンクをクリックするとメディア側のページが開き、アイテムやカートのリンクをクリックすると、ECサイト側のページが開きます。
基本的な戦略としては検索流入をメディア側の記事ページで獲得し、その後はECサイト側のアイテムページへ誘導するという流れで、ユーザーが違和感を感じないように見た目や動きを統一するように作っています。
メディア作成の方針
このメディアはURLを完全に分断することでECサイト側との依存性を一切持たない作りにしてあります。そのため、このブログと同じようにwordpressを使って好きに作っています。
wordpressはSEO対策に優れており、しっかりした記事を書けば検索順位が上がり、強力な集客ツールになります。ただ、よくブログを集客ツールとして用いる場合はかなり長期的に考えないと言いますが本当にその通りです。特に新しく取得したドメインの場合、いわゆるエイジングフィルター(新規ドメインの場合クローラーの巡回の総回数が低いことから3ヶ月程度検索順位が上がらない減少)もあり、いかに我慢して記事を貯めていくことが出来るか、半ば根性との戦いになってきます。
仕入れ
続いて仕入れに関しても、経験を元に気をつけたいこと等を書いていきます。
仕入れはタイで行ったのですが、具体的にタイのどの卸売市場に行ったか、といった内容は上記のメディアの中に記事として書いているのでそちらを御覧ください。
ここでは一般的に仕入れはどのような手順で進んでいくか、や関税などかかる費用面で抑えておきたい部分をご紹介します。
予め仕入れたい商品の製造元にコンタクトを取る
新興国の場合まだそこまで多くはないですが、例えばアパレル等の場合現地でブランドを運営している企業がHPを持っていることが有ります。もしそこで見つけた商品に興味を持ったりする場合は、予めメールで『卸売値を持っているか』『店舗でも卸売に対応するか』といった内容を聞き、店舗に立ち寄るスケジュールが立っている場合はその旨を伝えておくと良いと思います。
実際に私が仕入れに行った際には、ブランドのオーナーの方が店舗にいてくれていて、ブランドのストーリーや作りての想いを聞くことが出来ました。
ちなみに卸売はWholesaleと言うので、Do you have wholesale price? といった形で聞けばこちらの意図が伝わります。
現地での値引きは特段ない
私が行った卸売市場だけかもしれませんが、どの店も卸売価格がしっかりと決まっていたので、よく想像されるような半額でふっかけて75%の値段でまとめる、みたいな泥臭い交渉は発生しないというか交渉の余地が無い、という印象を持ちました。
逆にちゃんと卸売値が決まっているため、無駄なコミュニケーションを取ることもなく割りとスムーズに話が進みます。
荷物を持ち歩く必要はない
店舗で購入をした後は重い大量の荷物を抱えて滞在しているホテルに帰るのかと想像していました。しかしバイク便みたいなサービスがあるので、購入を済ませると例えばその日の夜に荷物をホテルまで届けてくれるみたいなサービスを利用することが出来ます。現地での少々の移動なので輸送費は大したこと無く、結構便利でした。
さらに、通常卸売業者やブランド側は日本までの発送までは面倒を見てくれません。
通常は現地にある配送会社(カーゴ会社)に依頼をし、インボイスの発行からEMS等の国際郵便への受け渡しまでを委託します。この配送会社がホテルまで荷物を取りに来てくれたりもするので、スーツケースにつめて自分で持って帰る、といった方法を選択しない場合はあまり肉体的に作業をするといった必要はありません。
仕入れにかかる費用
仕入れにかかる費用をリストアップしてみます。
・仕入れ費用:商品を仕入れるための費用で、当たり前ですが必ずかかります。
・仕入れ先から滞在ホテルへの輸送費:もし配送会社に直接仕入先に取りに行ってもらうようにすると、これは必要ありません。しかし上記の通り微々たるものなので大きなインパクトはありません。
・送料:国際郵便を使った送料で、通常荷物の量に比例してかかってきます。
・発送代行費用:現地の配送会社に荷物を国際郵便まで持っていってもらい費用です。費用計算は様々な方法がありますが、私の場合は仕入れ費用に比例するといったものでした。
・関税:商材によって異なりますが、販売価格(仕入れ価格)の一部が課税価格になり、その課税価格に対して決まった割合が関税になります。 (例:仕入れ価格 × 0.6 × 0.1)
・消費税:課税価格の8%です。
・通関手数料:一箱当り210円で大したことはありません。
関税は国や商材に応じて税率が変わったり、場合によっては免除になったりします。
予めJAICAのHP等で調べることをおすすめします。
商品撮影
現地で購入した商品が届くとあとは商品を撮影し、商品情報を拡充し、サイトにアップするのみです。
商品が届くまでは数週間かかるので、撮影分だけスーツケースに詰めて持って帰り、スムーズに撮影に取り掛かれるようにすると良いと思います。
スタジオでモデルを立てる
アパレルの場合、商品そのものの画像だけでなく商品をモデルが着用して撮影を行い、なるべく着用時の雰囲気を伝えることが大事だと言われています。
私の場合は友人にモデルをお願いしたので費用的には問題が無かったですが、Instagram等で探せばモデル業をやっている人を見つけられるので、直接メッセージを送ってみてどのくらいの費用感なのか問合せてみてもいいかと思います。
また、商品の色見が変わってしまわないように、しっかりストロボが完備された撮影スタジオをレンタルしました。
撮影は手際の良さが大事
撮影は
商品を開封する → モデルが着る → 撮影する → 商品をたたみ直す
といった一連の作業を途中で止まってしまわないようにスムーズに進めることがとても大事です。
例えば商品を開封したタイミングだとシワが付いていたりするのでそのシワを素早くアイロンで取ってあげたり、モデルによって身長が違うのでどの商品はどのサイズを誰が着るか予め決めておいたり、撮影前の商品と撮影前の商品をちゃんと分けて混ざってわからなくならないようにしたりと、細かい工夫や準備が欠かせません。これがうまくいかないと下手に手間取ってしまい、なかなか進まないといったことになってしまいます。
最後に
今回はECサイトの立ち上げまで、必要になることを羅列してみました。仕入れから販売のための店の開業まで、やらないといけないことが非常に多いですが、ECサイトを開設したいという方に参考にしてもらえたらうれしいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
The Quality Clothing (ザ クオリティクロージング)